脱毛と深い関わりがあるとされる毛周期。毛周期とは、毛が生えかわるサイクルのことです。なぜ、脱毛と毛周期には深い関わりがあるといわれるのでしょうか。その理由を詳しく解説します。
毛周期は毛が生えている部位により異なります。腕の毛周期はどれくらいのサイクルなのでしょうか。腕の毛周期とそこから考えられる腕脱毛に通う頻度、施術を受けるベストタイミング、1回の施術で処理できるムダ毛の量、毛周期を無視するデメリットなども解説します。
このページをみれば腕の毛周期や効果的な脱毛の受け方などがわかるはずです。効果的に脱毛を受けたい方などは参考にしてください。
ムダ毛には周期がある?腕のムダ毛の役割りとは?
腕や脇、背中やお腹、胸といったあらゆる部位に生えてくる毛を一般的にムダ毛と呼んでいます。
このムダ毛は名前の通り見た目も良くないですし、生えている意味もわからないためムダだと思われがちです。
では一体なぜこのムダ毛が生えてくるのでしょうか。
ムダ毛と言われてるけど、無駄なの?
ムダ毛は体毛の一部として生えており、体毛は約150~200万本生えていると言われています。
そもそもこのムダ毛は体毛として役割を担っているため体毛の役割を理解することでムダ毛の役割というのも理解することができます。
体毛の役割の一つとして、感覚機能を敏感にすることが挙げられます。
肌に直接触れるよりもこの体毛に触れることにより感覚神経を伝わり、早く認識することができます。 髪の毛だけを触って見るとわかりやすいですが、肌に直接触れていないのに触れている感覚が実感できるでしょう。
二つ目として外部からのダメージ軽減の働きをもちます。 外部からのダメージは何かの衝撃といったものだけでなく、紫外線や細菌、ゴミやほこりなども該当します。
これらのダメージの元から体毛は軽減してくれるため、軽視されがちですが非常に重要です。
三つ目は体温調節機能を持つということです。 体毛に覆われることにより不用意な温度低下を防ぎ体温を一定に保つために働いてくれる立派な器官です。
ムダ毛が無駄になった理由
しかし、現在では温度調節は扇風機やクーラー、ストーブ等といった家電を用いることで簡単に調節することができますし、ダメージも服や防止をかぶることで同様以上の効果を発揮することができるようになりました。
昔の人類には必要不可欠であった体毛も、現代人にとってはムダでしかなくなったということです。
こうした生活環境の変化が体毛をムダ毛にさせ、身だしなみや清潔感を求めるようになったことからムダ毛を処理してツルツルの肌が良いという習慣が身についてきたのです。
腕の毛周期とは?
毛というのは部位に限らず成長期から脱毛期までの周期的な流れがあり、毛が抜けた後もまた同様のサイクルを回すことが知られています。
そのため腕の毛ももれなくそういった周期的なリズムによって毛が生えてきます。
毛周期とは?
毛周期とは毛が成長する成長期、成長がストップする退行期、毛が抜けて新しく毛を生やす準備をする休止期というものに分かれます。
この周期の長さや生えてくる速度というのは部位によって変わってきます。
毛周期は毛の生える部位によって違う
毛周期というのは部位ごとにそれぞれ大体の長さが決まっており、一番毛周期が長いのが髪の毛です。
髪の毛は大体成長期が2~5年、退行期が2~3ヶ月、休止期が2~3週間を経て一周する流れになります。 逆に一番短い毛周期が眉毛です。
眉毛の毛周期は3~4ヶ月ほどあれば一周してまた新しい眉毛が生えてきます。 男性であれば髭も毛周期が早い部類に入ります。
髭が濃いと言われている人は朝にキレイに剃ったとしても、夜になったらもうジョリジョリしてきているといった経験があるかと思います。
腕の毛周期は?
そして気になるのが腕の毛周期です。 腕の毛周期は一般的に成長期に3~4ヶ月、休止期も3~4ヶ月の大体6~8ヶ月のサイクルでまわっています。
しかし、剃っても剃っても生えてくるためもっと早いのではと思われがちですが、一本ごとにその周期というのがあり、休止期に入っている腕の毛があれば成長期に入っている腕の毛があり、剃った所で成長期に入っている腕の毛があれば、また時間が経つと生えてきてしまうのです。
なので、部位ごとに生えている毛を全て同じ周期リズムにするという話は無理難題ですので、その都度処理をしていかなければいけません。
毛の成長は周期が遅いほうが遅い
髪の毛と眉毛を比べるとわかりやすいかもしれませんが、毛周期のスパンが長ければ長いほど成長は遅いということがわかると思います。
そのため眉毛は生えてきて数ヶ月で抜け落ちてしまうので思うように成長できませんが、髪の毛は成長周期が年単位と長いため、ロングヘアやショートヘアといった様々なヘアスタイルが現在では確立しているのです。
腕の毛の処理方法
腕の毛を処理する際は様々な方法で行っていますが、具体的にどういった方法で腕の毛を剃って行くのでしょうか。 自分でできる処理方法は、主に3つありますので紹介していきます。
カミソリ
これは大多数の方が利用する一般的な方法です。
肌の表面に出てきている毛をカミソリの刃で剃っていく方法ですが、肌に鋭利なものを押し付けて剃っていくわけなのでどうしても肌を傷つけてしまうことになります。
そのため、肌を傷めない為にシェービングクリームを塗ったり、カミソリ後の保湿というのは欠かさず行わなければムダ毛よりも肌荒れが目立ってしまうようになります。
電気シェーバー
カミソリよりも肌への負担が少ない方法として電気シェーバーで腕毛を剃るという方法があります。
この方法を使えば肌へのダメージが少なくて済むので敏感肌には適しているやり方です。
しかし、カミソリに比べて深くまで剃ることができないため、剃り残しやまた生えてくるスピードが早いといったデメリットも存在します。
除毛クリーム
除毛クリームは、カミソリや電気シェーバーの様に毛を剃るという方法ではなく、薬剤で毛を溶かすという方法で毛を除去していきます。
毛のタンパク質を溶かす薬剤が入っており、それを塗ることで毛が分解されて肌がツルツルになります。
クリームを塗って数分放置後にクリームを拭き取って洗い落とすだけの簡単な方法なので毛を剃るよりも楽にできます。
しかし、薬剤が肌に付着しますのでその刺激が肌に合わない人もいます。
あるいは肌にダメージを受けてしまうことになるので除毛クリームをする前にはパッチテストを必ず行いましょう。
日々のムダ毛処理というのは日課になっているにも関わらず面倒であるからついついサボりがちになることもあります。
そういった手間から解放されたいという方には医療レーザーによる脱毛をオススメします。
医療レーザーでの腕毛処理
医療レーザーで腕毛処理を行うための手順
医療レーザーを行う前には必ず医師に肌の状態を診察してもらうことになります。
医療レーザーは効果が強い反面、肌への刺激も強くなってしまいますので、不安なことや心配なことは医師に相談してみると良いでしょう。
あるいは施術中に違和感や痛みが現れたらすぐに中止してもらうようにしてください。 そして腕毛の処理を行う前に毛が伸びているとレーザーを照射しても効果が半減してしまうことがありますので、剃毛を指示されることもあります。
そしていよいよレーザー照射を行いますが、医療レーザーによる脱毛は、メラニン色素と呼ばれる黒色の色素にだけ熱を発生させるレーザーを使います。
そうすることで毛根組織まで焼き尽くし、毛を生えないようにします。
レーザー照射が完了後、アフターケアとして施術をした肌にトリートメント等を塗り保湿やダメージケアをします。
これが医療レーザーによる脱毛の大まかな手順となります。
医療レーザーの種類
医療レーザーの種類は多数ありますが、クリニックで用いられるレーザーの種類は大きく2つに分けることができます。
その一つがダイオードレーザーです。
ダイオードレーザーで脱毛処理をする場合、ジェルを塗りながら行います。 ダイオードレーザーの特徴として照射範囲が広く短時間で処置が完了する点です。
毛の濃い部分に効果的ですが、メラニン色素の薄い産毛に対しては思ったような効果を示さないのがデメリットとして挙げられます。
もう一つがアレキサンドライトレーザーです。
こちらの方法はジェルを使用しません。
そのためジェルによってアレルギー反応を示してしまう方にもおすすめできますし、ダイオードレーザーよりも早く処置が完了します。
産毛に対しても効果を発揮するので、産毛まで処理してほしい方はこのアレキサンドライトレーザーを採用するクリニックが多いでしょう。
毛周期とクリニックに通う頻度の関係
一般的に一つの毛穴には複数の毛根が存在しており、医療レーザーは現在生えている毛に対する毛根のみ照射することができます。
1つの毛根を照射し焼き尽くしたからといって、また成長期がくると別の毛根から毛が成長してしまうことになりますので、成長期に入るころに再び照射しなければいけません。
そのためクリニックでは毛周期的に一番効率が良い期間である2~3ヶ月に一回の頻度で処置をするようにおすすめしています。
腕脱毛のベストなタイミングは2カ月に1回
一般的なクリニックでは、脱毛効果を高めるため2~3カ月に1回の施術を勧められます。部位を問わず、この間隔で施術を受ければある程度の脱毛効果を期待できるからです。ただし、本当のベストタイミングは施術部位により異なります。施術部位により毛周期は異なるからです。
毛周期が6カ月~1年6カ月程度とされる腕のムダ毛のベストな施術タイミングは2カ月に1度といわれています。効率よく腕のムダ毛を処理したい方は参考にすると良いでしょう。
ちなみに、太ももや膝下の毛周期も同じくらいなので、ベストな施術のタイミングは2カ月に1度と考えられます。脇とVIOの毛周期は腕や太もも、膝下より長いので、ベストな施術のタイミングは3カ月に1度と考えられます。
以上が、部位ごとのベストな施術タイミングです。よって、複数個所を同時に脱毛したい場合、2~3カ月に一度の施術を勧められるのです。
1回の施術で処理できるムダ毛の量
医療レーザー脱毛あるいは光脱毛では、成長期に位置するムダ毛しか処理できません。退行期と休止期のムダ毛はメラニン色素が薄いのでレーザーや光にうまく反応しないからです。
ここで気になるのが、成長期に位置するムダ毛の割合です。腕のムダ毛の場合、全体の20%程度しか成長期に位置しないと考えられています。よって、1回のレーザー脱毛で処理できるムダ毛の量は20%程度となります。だから、ムダ毛を完全に処理するには複数回の施術が必要になるのです。具体的な施術回数は部位などにより異なりますが、脱毛効果の高いレーザー脱毛の場合、平均で5回の施術を必要とします。5回の根拠は、1回で全体の20%のムダ毛を処理できるからです(光脱毛の場合、脱毛効果が弱いのでこれより多くの施術を要します)。2カ月に1回のペースで施術を受ければ、10カ月程度で完了する計算になります。
毛周期にあわせて脱毛しないデメリット
いつまでに脱毛しなければならないなど予定がある方は、2~3カ月に1度とは言わず毎月脱毛したいと考えているかもしれませんね。脱毛頻度を高めることで脱毛効果はアップするのでしょうか。
施術頻度を高めれば脱毛効果もアップしそうですが、実際はそうではありません。レーザーや光が反応するムダ毛が十分に育たないからです。毛周期にあわせて脱毛しないと適切な効果は得られないので、焦って施術を受けてもあまり意味はないといえます。お金と時間を無駄にする恐れがあるので、クリニックなどの指示を守って施術を受けましょう。
施術を重ねたら間隔をあけてもOK
レーザー脱毛の場合、1回の施術で20%程度のムダ毛を処理できるので、施術を重ねると生えてくるムダ毛の量は減ります。と同時に、ムダ毛の毛周期が長くなることがあるといわれています。毛周期が長くなると、施術間隔をあけても高い脱毛効果を期待できます。間隔をあけることで、レーザーに反応するムダ毛を増やせるからです。2カ月に1度のペースで受けていたレーザー脱毛を3カ月に1度にするとよいかもしれません。具体的な間隔は、医師の指示に従う必要があります。生えてくるムダ毛の量が減った方は、相談してみると良いでしょう。
予定があるときはいつ腕のムダ毛を脱毛するべき?
腕のムダ毛の脱毛には、平均で10カ月程度かかります。長期戦になるので、いつ施術を受ければよいかわからない方が多いかもしれませんね。
レーザー脱毛の場合、2回目以降から効果を実感できることが多いようです。具体的には、ムダ毛の量が減った、綺麗な状態を維持しやすくなったと感じられるようになります。予定のある方は、レーザー脱毛を2回以上受けられるタイミングでスケジュールを組むとよいかもしれません。
予定が直前に迫っている方は、予定日の3~4週間前にレーザー脱毛を受けると良いでしょう。成長期にあったムダ毛が抜け落ちるので、綺麗な状態で当日を迎えられます。ただし、時間の経過とともに、腕のムダ毛は再び生えてきます。今後もムダ毛が気になると考えられる方は、予定終了後も継続して施術を受けましょう。
医療レーザー脱毛の注意点
医療レーザーを行うにあたり、いくつか注意点もあります。
やけどや炎症などのリスクがある
一つ目は普段の脱毛処理よりも肌への負担が強くなってしまうということです。 効果は普段のものよりも格段にありますが、その分肌への負担が大きいということを理解しておきましょう。
肌への負担が大きくなると、やけどや炎症を起こしてしまうこともあります。
レーザー照射に痛みを伴う
二つ目は、レーザー照射時は痛みがあるということです。 レーザーによって毛根を焼き切る施術のため、どうしても痛みが発生してしまいます。 肌が乾燥していると痛みが強くなりやすいので処置の前日の保湿はしっかり行うことや、効果はその分だけ低くなってしまいますがレーザーのパワーを落としてもらう、あるいは麻酔を行っているクリニックもありますので相談してみると良いでしょう。
痛みが心配な方はテスト照射を受ける
毛根を熱と衝撃で破壊するので、レーザー脱毛はそれなりの痛みを伴います。痛みが心配な方は、テスト照射を行っているクリニックで相談すると良いでしょう。実際の痛みが分かるので、安心して施術を受けられます。耐えられそうにない場合は、麻酔を使うこともできます。基本的に、腕のムダ毛は細いので耐えられないほどの痛みを伴うことは少ないと考えられますが、痛みに弱い方は注意しましょう。
脱毛期間中は毛抜きを使わない
レーザー脱毛を受けても、しばらくの間は腕にムダ毛が生えてきます。腕を露出する方などでは、ムダ毛を処理したくなるはずです。
きれいに処理するため毛抜きで抜きたくなるかもしれませんが、レーザー脱毛の施術の合間に毛抜きを使うことはオススメできません。ムダ毛と一緒に毛乳頭が引きちぎられるため、毛周期が狂ってしまうからです。毛周期が狂うと施術間隔をあけている意味がなくなります。レーザー脱毛の施術を受けている方は、毛抜きではなく電気シェーバーなどでムダ毛を処理しましょう。
これからレーザー脱毛を受ける方も毛抜きは厳禁です。施術期間中の毛抜きと同じく、レーザーが反応しづらくなるからです。施術を受ける3週間前頃から毛抜きは控えるべきとされています。詳しくは、施術を受けるクリニックなどで確認してください。
日焼けを避ける
レーザー脱毛の施術を受ける方は日焼けにも気を付けなくてはなりません。レーザーはメラニン色素に反応するので、日焼けをして肌が黒くなると肌に反応しやすくなるからです。肌に反応すると火傷のリスクが高まります。また、肌で反応してしまうため、脱毛効果が落ちる恐れもあります。レーザー脱毛を予定している方は、日焼け止めなどで紫外線対策を講じましょう。
ちなみに、レーザー脱毛後の日焼けもオススメできません。肌がデリケートな状態になっているので、シミができやすいからです。レーザー脱毛後も、日焼け止めなどの紫外線対策は必要です。
通いやすいクリニックを選ぶ
レーザー脱毛で腕のムダ毛を完全に処理するには複数回の施術が必要です。2カ月に1回程度のペースで通院を続けなくてはならないので、通いやすいクリニックを選びましょう。
自宅や勤務先などから交通の便が良いクリニック、ライフスタイルと診療時間がマッチしているクリニック、院内の雰囲気やスタッフの対応が良いクリニックであれば通いやすいと考えられます。
予約のとりやすさも重要なチェックポイントです。どれだけ通いやすくても、予約をとれないと施術を受けることはできません。特に、期限のあるセットコースなどを契約する方は注意しましょう。土日など、通いやすい日時の混み具合、予約のとりやすさを、カウンセリング時に確認しておくと安心です。
保険はきかない
最後に料金の問題があります。 生命に関わることであれば健康保険というものは適用されますが、脱毛や美容整形、AGA治療といったものには健康保険が適用されません。
そのためレーザー脱毛をする場合、どうしても高額となってしまいますので安価で信頼のできるクリニックを探すことや、値段交渉等をする必要があるということも理解しておきましょう。
まとめ
- 体毛は動物を保護する働きがある
- ムダ毛は現代人が決めた清潔感の基準によってムダとされたものである
- 腕の毛周期は一般的に成長期に3~4ヶ月、休止期3~4ヶ月