脱毛で注意したいトラブルが打ち漏れです。打ち漏れとはどのようなトラブルなのでしょうか。また、打ち漏れを見分けるにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
このページでは、打ち漏れの概要と打ち漏れが起こる原因、打ち漏れの見分け方などを解説しています。併せて、打ち漏れが起きたときにできる対処法、クリニックなどで再照射を断られるケースなどについても詳しく解説しています。
これらの情報を参考にすれば、打ち漏れに気づけるとともに正しく対処できるはずです。誰にでも起こりうるトラブルなので、脱毛を検討している方、脱毛を受けている方などは確認しておきましょう。
レーザー・光脱毛のメカニズムは?
打ち漏れによる対処法の前に、まずはレーザー脱毛と光脱毛のメカニズムやその違いにづいて説明していきます。 この両者はニュアンスは似ていますが、実は仕組みや特徴は違ったものになります。
レーザー脱毛の仕組みと特徴
現在の日本でレーザー脱毛を行う場合、ダイオードレーザーとアレキサンドライトレーザーで行う脱毛法が主流となっています。
単一の波長のレーザーで出力が強いもので照射していくので、光脱毛よりも痛みが強く出てしまうのが特徴です。
このレーザー脱毛を取り扱う場合、医療従事者でないと使用不可なので、脱毛サロン等では施術できないことになっています。
毛が成長から脱毛までのサイクルである毛周期に合わせて照射をしていき毛根を焼き尽くす方法で、2~3ヶ月に1回を5~6回繰り返すのが基本です。
効果が現れるのは光脱毛よりも高く、人によっては2~3回で十分な効果が得られる場合もあります。
しかし、その効果の高さから光脱毛よりも費用が高くなってしまいます。
光脱毛の仕組みと特徴
インテンスパルスライト(IPL)といった器械を利用して複数の波長を広範囲に照射し脱毛するのが光脱毛の特徴です。
光脱毛はレーザー脱毛よりも出力が弱いので、痛みが不安な方にはおすすめできる脱毛法です。
出力が弱い分効果もゆっくりと効き始め、2~3ヶ月に一回のペースを1~2年行います。
光脱毛とレーザー脱毛の違い
光脱毛とレーザー脱毛の違いをあげるならば、まず決定的に違うのは波長です。
光脱毛は広範囲に光照射するため多数の波長を含んでいるのに対し、レーザー脱毛は単一の波長のみを使います。
そして出力の強さはレーザー脱毛のほうが強く、光脱毛はレーザーに比べると弱いです。
この強さの違いからレーザー脱毛は医療従事者ではないと取り扱うことができず、クリニック等での施術になりますが、光脱毛は出力が制限されていますので誰でも扱うことができ、サロン等でも行うことができます。
脱毛していて打ち漏れが起こる原因は?
打ち漏れというのは先ほど紹介したレーザー脱毛や光脱毛の効果が得られない部分があった時のことを指しますが、一体どうしてこういった打ち漏れがおこってしまうのか考えられる原因をピックアップしました。
レーザーの照射漏れ
レーザーや光を照射する際に、効果がある距離で照射しなければ十分な効力は発揮しません。
そのため、レーザーをあてているにも関わらず距離が遠いために脱毛作用が働かない部分が出てくることがあります。
このことは浮かし漏れと呼ばれますが、レーザー脱毛よりも光脱毛で多く見られます。
レーザーは単一の波長で出力が強いため、ある程度機器が離れていたとしても効力を発揮します。
それに比べ光脱毛の照射は広範囲の複数波長照射なので、肌から離れてしまうとその分だけ効果が薄くなってしまいやすくなるのです。
レーザーの熱量不足
痛みを訴える人には出力を下げることがあり、その場合熱量が不足してしまうため効果が半減してしまいます。
効果が半減していなくても、元々熱量が不足していた場合は毛細胞が活発に働いている部分や少ししか照射されなかった部分というのは脱毛がされない場合があります。
レーザーの種類や波長が合っていない
産毛や細い毛に効果的なものや強く太い毛に対して効果が見られるものとレーザーや光の脱毛は種類が分けられています。
その他にも肌の色によって効果が見られる、見られないというのがあり、総合的に判断して使う機器を決定します。
ですが、必ずしも選んだ機器の種類や波長があなたにとって合った機器であるということは保障できません。
そのため、思ったように効果がでないのは施術者ではなく機器のほうにあったということも考えられます。
施術者の人的ミス
あまりあってはいけない事ですが、施術者による技術ミスという点も考えられます。
単純に機器には問題ないが、その部位だけ照射し忘れるであったり、突起部分はあてる角度が多数あるために、一部分のみ忘れてしまったりということがあります。
そういったことがないように施術は行われますが、人である以上ミスをしてしまう可能性というのはゼロではないということを理解しておきましょう。
≫レーザー脱毛と光脱毛のメリット・デメリット
打ち漏れが起こりやすい部位
打ち漏れの起こりやすさは、施術部位により異なります。一般的に、骨ばった箇所など平面ではない部位で、打ち漏れは生じやすいといわれています。施術者のイメージ通りレーザーやライトを照射しづらいからです。打ち漏れが生じやすい部位を具体的に紹介します。
VIOは打ち漏れが生じやすい
打ち漏れのリスクが最も高いとされているのはVIOです。VIOで打ち漏れが生じやすい理由は、平たんな場所が少なくシワが多いからです。狙ったムダ毛にレーザーを照射するため、皮膚を伸ばさなければなりません。皮膚を伸ばすと狙った箇所と照射する箇所にずれが生じるため打ち漏れが生じやすくなります。
VIOは太いムダ毛が多いので、打ち漏れがなければしっかりと脱毛効果を得られます。レーザーやライトが反応しやすいからです。施術後、しばらくたってもムダ毛が残っている場合は、打ち漏れの可能性が高いといえるでしょう。
膝などの間接も打ち漏れが生じやすい
同じく打ち漏れが生じやすい箇所が膝などの間接です。骨が出っ張っていて凸凹しているので、狙った箇所にレーザーやライトを照射しづらいとされています。照射口を肌に沿わせることが難しいからです。膝などの間接にレーザーやライトを照射した方は、経過をしっかり観察しましょう。
打ち漏れの見分け方
レーザー脱毛や光脱毛の施術は人が行うので、打ち漏れのリスクが付きまといます。ムダ毛が残っていると感じている方は、次のポイントをチェックして打ち漏れかどうか見分けましょう。
1~2週間程度は様子を見る
施術を受けたのにムダ毛が残っていると打ち漏れを疑いたくなりますが、早急な判断は禁物です。ムダ毛が抜けるまで1週間~2週間程度はかかるからです。ある程度の時間がかかる理由は、毛根にダメージが加わってもしばらくは毛が成長し続けるから。この成長がストップして抜け落ちるまで待つ必要があるので、ある程度の時間がかかります。施術後、間もないタイミングで打ち漏れを把握することはできません。
一部分だけ毛が抜けない
施術後、1週間~2週間たって、ムダ毛が残っている場合は打ち漏れの可能性があります。打ち漏れの可能性が高いのは次のようなケースです。
- 一か所だけムダ毛が固まって残っている。
- ムダ毛が列になって残っている。
- 関節のくぼみ部分にムダ毛が残っている。
周りのムダ毛が抜け落ちるので、打ち漏れした個所は時間の経過とともに目立ちます。一部分だけ毛が残っている方は打ち漏れに注意しましょう。
まばらに残ったムダ毛は打ち漏れではないかも
打ち漏れを自分で判断するときに注意したいのが、まばらに残ったムダ毛です。「ムダ毛が残っているのだから打ち漏れだ」といいたくなるかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。
基本的に、レーザー脱毛や光脱毛は毛周期の成長期に位置するムダ毛にしか効果を発揮しません。退行期のムダ毛に効果を発揮しない理由は毛が毛根から離れているためレーザーやライトを照射しても反応しないから、休止期のムダ毛に効果を発揮しない理由はレーザーやライトが反応するべき毛が無いからです。
成長期のムダ毛、退行期のムダ毛に外見上の違いはありません。ムダ毛がまばらに残っている場合、レーザーやライトが脱毛効果を発揮しない退行期のムダ毛が残っている可能性があるのです。退行期のムダ毛は時間の経過とともに自然に抜け落ちます(レーザーやライトに反応していないため再び生えてきます)。ムダ毛がまばらに残っている場合は、以上の可能性も疑いましょう。
脱毛時の打ち漏れの対処法は?
では実際に打ち漏れに遭遇してしまった時にはどのような対処をすべきなのでしょうか。
これは、クリニックやサロン側でのミスが認められれば必ず再度照射をしてもらますので必ず覚えておきましょう。
クリニックに連絡する
まずは、脱毛をしたクリニックへ打ち漏れの可能性があることを連絡しましょう。
そして再照射をして欲しいことと、再照射をする場合の日付を確認するようにしましょう。
照射後2~3週間で効果が見られるとは言いましたが、もしかすると個人差によって遅れてきてしまう場合があることが想定されますので、クリニックもすぐの再照射というのはいかないとおもいます。
なので、最低でも10日は効果が出ているかどうか見てみることにしてその後に連絡してみましょう。
病院やクリニックに行き専門家の診断を受ける
その後、病院やクリニックで専門家の診断を受けることによって、本当に照射漏れであるのか、または違った理由から脱毛ができていなかったのか判断されます。
脱毛が行われなかった理由も照射漏れ以外にもいくつか理由がありますが、これは後で説明していきますが、そういった診断をされた場合、再照射は行われませんので注意しましょう。
クリニック側のミスであれば再照射を依頼する
専門家の診断の後、何も問題がなくクリニック側のミスだということがわかれば、再照射を依頼する手はずをとりましょう。
ここで気をつけるべきは、脱毛を受ける前に再照射を保障しているクリニックを選ぶことです。
本来ならばクリニック側のミスであるにも関わらず再照射をしないのは信用問題に関わりますが、最初の時点で保障しないと表記があるのであれば避けた方が無難でしょう。
再照射を断られる場合とは
打ち漏れの可能性があり、クリニックや病院で診断してもらったが、残念ながら再照射を断られてしまう場合があります。
再照射を断られてしまうケースというのはどういったものがあるのでしょうか。
施術から日にちが経っていない場合
脱毛を行った場合、効果が現れはじめるのに最短でも10日間は日数を要します。
そこまでの期間に達していないにも関わらず、脱毛がされないから打ち漏れだという判断は時期尚早だということです。
また、脱毛される部分も早い所と遅い所がどうしても出てきてしまいますので、脱毛が始まったからといって焦らないように日にちを計算して観察していきましょう。
施術から日にちが経ちすぎた場合
先ほどの施術から日にちが経っていない場合もそうですが、逆の場合も再照射を断られることがあります。
脱毛は部位ごとによって個人差があるからといって、1ヶ月待っていて脱毛ができないといって連絡するのでは少々遅いです。
脱毛効果が見られるのは2~3週間をメドにして連絡をいれるようにしましょう。
あまりに遅いとクリニックによっての保障期間というのも設けられていますが、それを過ぎてしまうことになるので残念ながら泣き寝入りをするハメになってしまいます。
理由があって照射していない部位の場合
その部分に炎症や肌荒れが起きていた場合、肌に傷をつけてしまい悪化させてしまうことを避けるため、あえてその部分に照射をしないことがあります。
あるいは脱毛器は黒色に反応してしまうので、埋没毛やほくろ、色素沈着といった部分も照射をしません。
そういった部分にはテープやシールが貼られて光やレーザー光が当たらないようにされています。
その場合は必ず確認をとられますので、そのことを必ず覚えておき、打ち漏れではないということを認識しましょう。
自己処理をしてしまった場合
施術をしてから10日ほどたつと脱毛が始まりますが、脱毛が始まるとは言えムダ毛が生えてくる部分もあります。
人目につかない部分であればそのままでもかまわないですが、腕や脚といった露出する部分は人目についてしまうため自己処理をしてしまいがちです。
しかし、自己処理をしてしまうと打ち漏れの判断材料が欠けてしまうので、打ち漏れの可能性がある場合、自己処理は控えるようにしてください。
施術を受けられる状態ではない場合
自身がなんらかの炎症を起きてしまい肌が荒れている場合や、施術を受けられる状態ではない場合、これももちろん再照射ができないケースにあたります。
再照射にも保証期間というものがあるので、自身が再照射を受ける準備が整ったとしても期間が過ぎているのであればそれもできません。
クリニックのミスではない場合
自己処理や理由があって照射しない場合と同様にして、クリニックのミスではない場合はもちろんのこと再照射をすることはできません。
あるいは脱毛は成長期の毛に対して効果を発揮するものなので、退行期といった毛が縮小し抜ける準備をしているものに対しては効果を発揮できない場合があります。
これはクリニックのミスではなく、単なる効果範囲外の時期であったことが言えます。 打ち漏れかどうかを判断する時は慎重にみていきましょう。
≫クリニックとエステの違いって?
まとめ
- 打ち漏れというのはレーザー脱毛や光脱毛で一部脱毛されず残ってしまった部分のこと
- 打ち漏れかなと思ったら、まずはクリニックなど、専門のところで診察を受ける
- 打ち漏れ、クリニックのミスが判明したら再照射の依頼ができる